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髙橋 賢一 Kenichi Takahashi  
即興演奏家 ジャズピアニスト フジロック2023出演
京都市出身 東京都在住

静かに広がる波紋のような繊細さと、スリリングで鮮烈な世界を併せ持つ。

自然や空間のゆらぎと一体化し”音を授かるような感覚”を基にしたその自然発生的な演奏は、流れ、広がり、変容し、瞬間的な煌めきと美しさを創り出す。 

「聴く人の感覚的な世界を開き、何かを感じてほしい」という想いから、日々ライブや配信等で音楽を発表し続け、その独創的な世界が高く評価されている。

2020年に1stアルバム『In My Minds Eye』を高橋賢一トリオでリリース。

2021年には2ndアルバム『spontaneous』を全編即興演奏ソロピアノでリリース。

2022年には元jizueのドラマー粉川心の呼びかけにより、岡田康孝、髙橋賢一らと同世代の即興音楽家三人で京都experimental piano trio【kott】を結成。

saraとのクリスタルボウル、ヴォイス、ピアノ即興演奏で紡がれるEudaemoniaの1stアルバム『an open book』 をリリース。

2023年6月に1st ALBUM「kott」をリリース。全国40ヶ所以上のツアーを決行。
結成一年目にして異例のフジロック出演をはじめ、各地フェスへの出演、UKのKAY YOUNGとのコラボライブも行う。2024年脱退。

2024年、京都から東京に拠点を移し、ベース西嶋徹、ドラム矢城純平とのトリオを結成。渋谷公園通りクラシックスでのライブを皮切りに東京都内でのライブを行い、このトリオでのアルバムレコーディングと全国ツアーを控えている。

【レコーディング参加、ライブ共演】

Stafford Hunter、Marty Bracey、Luciano Ghosn、類家心平、福盛進也、纐纈雅代、清水勇博、廣瀬誠、浅井良将、甲斐正樹、林仁、功刀丈弘。

その他多数の国内外の様々なジャンルのアーティストと共演。年間約300本以上のライブやレコーディングに参加。

東京の自宅ピアノ調律が終わりました。

東京の自宅ピアノ調律が終わりました。

東京でも自分の感性にあった調律師の方と出会えて良かったです。

調律で一番初めに驚いた経験は普段はコンサートホールとかで調律している久連松さんのとき。辻井伸行さんや僕がコンサートを見に行ったガヴリーロフのときなどにも調律されてたりします。

家に着いてピアノを弾くなり「音がキュウキュウやなぁ〜」と言いながら緩めていっていただいたら見事に三次元的な立体感が出てきて、むちゃくちゃ驚きと同時に演奏家と一緒で調律の人にも二次元と三次元タイプがいると思いました。

関西では他には野々口さんも素晴らしくて、久連松さんがワイドタイプなら、野々口さんはとても繊細な音で柔らかく膨らませる感じで作るのが上手で、後はよくお世話になっているボスコミュージックにいらっしゃる大田さんは久連松さんの系譜ながら繊細さを兼ね備えた感じで、久連松さんはわりとタッチのポイントを深めに取るって全体響かせるのに対して太田さんは浅めなポイントに作る感じがして、それぞれの体感を通した音色の違いの個性もとても興味深いです。

一度レコーディングでお世話になった鈴木優子さんはピアノとの対話系でレコーディング中に「この子は男の子かな女の子かな」なんて話しながら一緒にピアノのベストを導き出していく時間はとてもファンタジーに満ちてて楽しかったです。

東京での調律の方は名前は伏せといてとのことなのですが(笑)最近、ドラムの本田珠也さんと共演させていただいたときに珠也さんがトンと叩いた一音の密度の濃さが圧倒的で。正直自分のピアノの濃さでは太刀打ちできない、薄過ぎると演奏中に感じました。

演奏終わった後に珠也さんが一つだけアドバイスをと「ピアノの木の音がしない、重量(重みが足りない)、指の先に釣り針がかかってて、糸が下がってる下にオモリがあるように」でした。その日のアンサンブルも個人的には上手くいかなかった部分あったのですが、そこではなくて僕が一番気になった部分に対してピンポイントでのアドバイスでした。

一時期、ロシアのネイガウス流派の奏法を先生に習いながらタッチを追求してた時期があって、レッスン中ずっと一音を弾くみたいなことをしていたことがあったので、なんとなく自分の中なりに木の音をイメージできる感覚がありました。

ロシアの奏法は弦やフレームを響かせて上に音を立ち上げるイメージなのですが、珠也さんのおっしゃってる木の音はもう少し深いポイントに体重乗せて入れていってピアノのボディ全体を振動させる感じなのかなぁ〜と。

次の日からそのイメージを元に練習を初めたのですが、音を上に立ち上げる意識から自然に重力に逆らわずに落下させる方向に向かうことで、体の力みとかが消えてすごく楽に音を出せるようになったのと、リズムの重心が下に来るような感覚もありました。

そのようなお話しを東京の調律師の方にして、木の音がするセッティングにしていただき、めちゃくちゃ素晴らしい音とピアノが喜んでるのを感じました。その後もピアノの木の音について色々語り合ってたのですが、調律の方のイメージはアルフレッド・コルトー、クララ・ハスキル、舘野泉さんだそうです。早速、舘野泉さんのレコードも購入。でもアイノラのシベリウスという舘野泉さんのアルバムの方が木の音に近い気がして調べてみたら、シベリウスが生涯の後半を過ごしたアイノラの山荘での録音で愛用していた1915年のニューヨーク製のスタインウェイでした。

しばらくテーマは木の音になりそう🌳

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